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楽器

先週末は9月8日、語呂合わせでキューバ(国名)の日ということでキューバ音楽のイベントがありました!

 

見慣れない楽器もあり、不思議な音・陽気な雰囲気に包まれた心地いい時間を過ごすことができました。

 

 

 

 

2枚目の写真は両方ともマラカス。

マラカスを狙う娘の手の影が偶然写り込んでますが、よく見ると若干怖い感じになってますね(笑)

(Y)

本の中の緑

久しぶりにとても綺麗な本を見つけました。

なかなかゆっくりは見れないけれど

パラパラ読みでも充分に癒される本。

greenがとっても美しい。

こちらの二冊です。

 

 

ゴッホみたいなモデルさんもなかなかユニークです。

エクステリアの提案はなかなか難しくて

いい本に出会えてとても嬉しいのです。

もう住人というより住緑だね。

 

 

これぐらいに大らかなインテリアを

いつか現実に作ってみたいなぁと夢が膨らむのです。

疲れた時に癒されながら、妄想をして過ごします。。。

 

(s)

 

懐かしの…

 

先日実家で夕ご飯を食べている時、姉と甥がいきなりレコードを持ち出してきました。

そこには私が初めて買った洋楽のレコードが…

カイリーミノーグのロコモーション

 

 

中学一年の時、この曲のPVをジュークボックスで見て以来、洋楽にどっぷりはまり、

高校を卒業するまでの6年間は、邦楽を聴くことはほとんどありませんでした。

懐かしすぎて、つい踊ってしまいしました。

そしてこんなレコードまで出てきました。(こっちは姉が買ったもの)

 

 

ボーイ・ジョージを見た時の衝撃は、今でも忘れられません。

こんな美しい男性がいていいのか!

今見てもきれいです。

甥は県外の大学に通っていますが、週末はディスコでバイト。

80年代の曲を流すお店らしいのですが、先週「カーマはきまぐれ」が流れている

ディスコの動画が甥から送られてきました。(メッセージもなしに)

実家にはお宝が眠っているなと感じる今日この頃です。

 

(A)

architect.app

ここ1、2年、本屋さんの平積みコーナーを賑わせているのが

AI(人工知能)関連の書籍です。

AI本はいろんなかたちで人間の本質とは何なのか

という問題を考えさせられるのでどれも面白い発見があります。

いま読み進めている、棋士の羽生善治さんと

iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥先生の対談本

『人間の未来 AIの未来』(2018年、講談社)は、AIの専門家ではないお二人が

それぞれの視点から人間の知性や再生医療について熱く語り合っています。

お二人の半端ない知的好奇心と

お互いへの深いリスペクトにあふれた内容になっています。

 

 

心に引っかかったのが、羽生さんが棋士と将棋ソフトの違いに触れた次のコメントです。

「棋士が次に指す手を選ぶ行為は、美意識を磨くことにかなり近いものなんです。」

人間の棋士が直感、読み、大局観を使って勝負をするのに対して、

将棋ソフトは即時的かつ網羅的に盤面を解析しあらゆる手に点数付けをする。

その手筋に美しさはない、と。

ただ人間の美意識が選択肢を狭めている可能性や、

AI技術によって逆にそれが変わっていくことについても言及されています。

 

建築の分野でいま熱いトピックはBIM(Building Information Modeling)と

それに伴うVR(virtual reality)技術ですが、

その次に来るのはおそらくAI技術かもしれません。

 

いまから20年以上前、1990年代後半に、コンピュータが建築を設計するとしたら

いったいどのようなふるまいをするのかと構想(妄想)した人がいます。

建築家の原広司さんです。

建築の論壇には人間離れした知性をもった建築家が何人かいますが、

原さんもその一人です。

最近彼が、彼の教え子でもある世界的な建築家 隈研吾さんの展覧会

くまのもの』を評して書いた文章はこんな調子です。

 

「隈研吾が物質;方法;幾何学という時,なにかしらの単位xとそれらの集合X,

 配列τがあって,おおむね(X, τ)と表記される。(中略)

 xをセルcellで採ると大事になるが,

 隈研吾は巧妙にも,彼の言う物質で採ったのである.」

 

……。

そんな原さんがかつて思い描いた建築設計ソフトウエア

「ARCHITECT(アーキテクト)」は、もちろん単に製図を補助するCADなどではなく、

コンピュータの高い計算能力をもって「設計」するソフトです。

彼は実際、ARCHITECTなら等差級数で得られる寸法を用いた立方体状の建築

をつくるだろうという想定のもと、いくつかの住宅を実現させてしまいました。

自邸(←都市を埋蔵した住宅)の増築としての (5,800mm)3や、

ある夫婦のための実験住宅としての (7,000mm)3などの一連の作品です。

設定したルールを確信してさらっと建築をつくりあげる原さんの力量もスゴイですが、

彼を信頼して設計を任せたクライアントにも脱帽です。

 

ところで、近未来のAIはどのようなアプローチで建築を「設計」するでしょうか?

そもそもそれはソフトウエアというよりは

iPhoneなどのスマホ上でうごくアプリの形態を取るかもしれません。

名前は全部小文字で「architect」がいいでしょう。

これからのIT技術のドレンドは等差級数や立方体などの普遍的なアプローチではなく、

ユーザーごとに最適化されたパーソナライゼーションです。

 

「architect」を起動して求められる情報はきっと建築場所の地名地番だけです。

(Google Map上でタップも可。)

寝室はどれくらいの大きさでいくつ必要ですか?などというヤボな質問はしません。

「architect」はあなたのFacebookやTwitter、Instagramなどの投稿とかいいね、

写真アプリに撮りためた画像・動画、

Pinterestでどんなイメージにピンをしているか、

antenna* やグノシー、Flipboardでどんな記事をクリップしているか、

デザイン好きならHouzzやArchitizerの閲覧履歴などを読み込み解析します。

そして家族構成、要望、予算、好みなどを高い精度で割り出し

プランを瞬時に生成します。これがあなたのおうちです、と。

(ちなみに場所を指定した直後にアプリは行政機関のデータベースにアクセスして

 諸々の法的チェックと事前調整は数十秒後には完了しています。)

たぶんその頃にはもう発売されているであろうアップル社製のAR/VRゴーグル 

iGlassをかけて即座にその空間を体験することもできます。

(修正や微調整はその擬似空間で行います。)

 

「architect」はどのように収益を生むのでしょうか?

おそらく開発・提供元は、建築家とクライアントを結びつける

プラットホームを持っている企業とか大手ハウスメーカーとかかもしれません。

彼らは「architect」が参照するデザインソースをふんだんにアーカイブしています。

逆に、設計者向けに提供して業務補助に利用してもらう方向もあるかもしれません。

 

どんなかたちにしろ、AIが建築設計の分野に進出してきたとき、

生身の建築家たちはどうなるのでしょうか?

AIが生成したプランを最終確認するだけのチェック係になるのか、

ブランドを確立してAIが参照するデザインソースを提供する立場を死守するのか、

はたまたSEとしてAIを育てる側にまわるのか…。

 

紹介した対談本でもやはり触れていますが、人間にできてAIにできないことは、

逸脱すること(忘却することも含めて)と

情報以外の事柄を感覚することだと思います。

 

前者はAIのディープラーニングにより追いつかれる可能性はあります。

プログラマの行う最終工程にプログラムの不具合を取り除くデバッグ(debug)

という作業がありますが、これからはユニークなバグを埋め込む

エンバッグ(embug)が彼らの腕の見せどころになるかもしれません。

後者は人間の最後の砦です。

このことについてはまだぜんぜん整理できていないので、

これからゆっくり考えていきたいと思います。

 

後半は、ハッシュタグがいまだに何なのか分かっていないSNSオンチの

いち設計事務所スタッフが、長い出勤ドライブ中に繰り広げた妄想でした。

長文失礼しました。

 

(K)

Travelling Without Moving

スマートフォンでラジオを聴く人をスマラーというそうです。

そのことを、まさにiPhoneのラジオアプリ「radiko(ラジコ)」で

東京のラジオ放送を聴きながら知りました。

ラジオ業界も減少の一途をたどるリスナー人口を回復させるべく

いろいろキャンペーンを張っているようです。

このスマラーという単語はたぶん流行らないじゃないかと思いますが、

その一助になるべく数多くある良質なラジオ番組の中から、

旅好き、音楽好き、デザイン好きな人なら

きっと好きになる番組を一つ紹介したいと思います。

 

毎週日曜日の夜8時からJ-WAVEで放送されている

antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING』です。

パーソナリティは世界約50ヶ国を旅した野村訓市さんという方。

2014年から始まった、MCのトークとリクエスト曲のオンエアで構成された

オーソドックスなラジオ番組です。

 

この番組を語ることは訓市さんを語ることになります。

ぼくは彼にまつわるモノをじつは番組を聴く以前からいくつか持っていました。

また、番組きっかけで集まってきたモノもあります。

それらをフックに紹介してみたいと思います。

 

まず番組のタイトルですが、これはもちろんJamiroquai(ジャミロクワイ)の

1996年リリースの名盤、『Travelling Without Moving』

 

 

…からではなく、

これより2年早いアンビエントミュージックのコンピ『Feed Your Head』のVol.2

に収録されてるOpikというアーティストによる同名の楽曲から取られています。

 

 

オープニングにも使われていますが、ジャングルの雨の音や子供たちの声が

サンプリングされた(アタマの栄養になりそうな)心地よい曲です。

コンピ全体としては、もう90年代のアンビエントってカンジの

湿り気のあるミニマムな音響が鳴っていて、今でも作業用BGMとして重宝します。

 

ついでに、番組のエンディングテーマに使われているのは、

ジャズピアニストBrad Mehldau(ブラッド・メルドー)が2002年にリリースした

アルバム『LARGO』に収録されている「Dusty McNugget」です。

 

 

このアルバムはリリース当初、Radiohead(レディオヘッド)のカバー曲が

話題になって耳にはしていたのですが、この曲は全く覚えていませんでした。

アルバム全体が遊び心にあふれていて、訓市さんらしい選曲だなと思います。

 

番組中でオンエアされる楽曲は年代もジャンルも様々。

スポンサーのantenna*からグリーティングとして限定配布された番組のコンピには、

 

 

 

Marvin Gaye、The Mamas & Papas、Lenny Kravitz,、Rufus Wainwright …などなど

様々なジャンル・年代のアーティストたちによる楽曲が

不思議な統一感をもって収録されています。

実際にオンエアされる楽曲は、1990年代のロックやポップスを起点に新旧いろいろな

音楽を聴いて育ったぼくにとっては趣味が合いすぎてこわいくらいのラインアップです。

Oasis、Sade、Everything But the Girl、Weezer、Foo Fighters、Norah Jonseとか。

Nujabes、Zero 7、José González、Kings of Convenience、James Blake、

FEIST、The Avalanchesもかけてくれる。

洋楽だけでなくフィッシュマンズやスピッツ、大橋トリオ、EGO-WRAPPIN’

などの渋い邦楽もけっこう流れます。

番組には一度かけた曲は流さないという「鉄のルール」が存在するのですが、

リクエストが通るかどうか、リスナーと訓市さんの見えない攻防も聞きどころです。

 

訓市さんの肩書きは、ご自身でもおしゃられていますが、説明するのがむずかしい。

いちばんしっくりくるのが「エディター」でしょうか。

その原点となるのが、2000年にIDÉEから発行されたインタビュー誌

『SPUTNIK : whole life catalogue』です。

 

 

一つのエントリには収まらないのでさわりだけ説明すると、

訓市さんが若干26歳のとき、世界を2周する旅をしながら80人以上に

インタビューをしてまとめ上げた伝説の「生き方」カタログ誌です。

建築家では、坂茂さん、藤森照信さん、石山修さん、パオロ・ソレリ氏などが

インタビュイーとして登場しています。

絶版で現在入手困難ですが、ぜひ復刊(あわよくば続編)を希望する本です。

 

最後に、番組の魅力はなんといっても訓市さんの半端ない経験値に裏打ちされた

旅や音楽にまつわるトークです。

日曜の夜になじんだ落ち着いたトーンに包まれながら、

新しい週をむかえるにあたりいつも元気をもらっています。

この週末の旅が末長く続いてほしいと願わずにはいられません。

 

(K)

ハクソー・リッジ

2018年(アメリカでは2017年)に公開されたメル・ギブソン監督による戦争映画

『ハクソー・リッジ』を観たので紹介します。

 

 

その前に、

ぼくは生まれも育ちも沖縄なのですが、その歴史的な事情から小学生の頃より

重点的に平和教育を受けてきたという記憶があります。

(広島県民や長崎県民の方々も同じかもしれません。)

遠足で摩文仁の壕を見学しに行ったり、

授業で太平洋戦争のドキュメンタリー番組を観たり、

戦争を題材にしたアニメ映画を鑑賞したり、というものです。

 

また、実家は普天間基地の滑走路延長線上にあり、

路上で近所の子供たちと遊んでいたら、轟音を立てて着陸態勢に入る大型輸送機C5の

でっかいお腹を真下から間近で幾度となく見ることができるような環境でした。

摩文仁まで行かなくとも近くにはガマと呼ばれる自然の洞窟がいくつかあり、

中を探検すると普通に戦時中のものと思われる真っ白な人骨を目にすることができました。

夏休みに公園の裏山で発見した不発弾(のように見える茶色に錆びた

2Lのペットボトルくらいの大きさの物体)を友だち3、4人で買い物袋にぶら下げて

わいわい言いながら1時間以上かけて、当時浦添市屋富祖にあった(と思う)

市の文化財課に持ち込んだ思い出もあります。

職員のおじさんの困った顔のシーンで記憶が途切れているのですが、

あれは結局どうしたんだろうか。よく覚えていません。

かれこれ30年以上前の話です。

昔の戦争の記憶が、遠いけれども地続きで感じられる環境でした。

 

そんな背景もあり、実家から1kmも離れていない場所で

73年前の4月から6月にかけて起こった出来事を題材にしたこの映画は、

けっこうな衝撃でした。

ちなみにこれは沖縄戦についての映画というよりは、

宗教的な理由から武器を何も持たずに衛生兵としてこの戦争に従軍した

デズモンド・ドスについての映画です。

彼が戦場で75人もの人命を救った実体験を元にしています。

ドス役をアンドリュー・ガーフィールドが好演しています。

訓練生時代の狂気も描いているところは、スタンリー・キューブリック監督の映画

『フルメタル・ジャケット』(1987年公開)を思い起こさせました。

 

タイトルの「ハクソー・リッジ」とは

日本軍が「前田高地」と呼んで重要視していた陣地のことで、

急峻な崖地の形がのこぎり(Hacksaw)のように見えたためにそう呼ばれました。

この映画を観たあといろいろ調べていたら、

現地に「デズモンド・ドス・ポイント」と名付けられた場所があることを知りました。

 

 

前田高地は地元の人からは初期の琉球国王、英祖王と尚寧王のお墓「浦添ようどれ」

がある場所として知られていて、そのままこの一帯を浦添ようどれと呼んだりします。

久しぶりに訪れてみたら、映画に関する小さい立て看板が設置されていました。

デズモンド・ドス・ポイントには祈念碑など全くありませんが、

少し盛り上がった岩場がその目印になります。

 

 

 

こんな平穏な場所で、73年前あれほど壮絶な戦闘が繰り広げられていたということは、

この映画を観るまでリアルに感じることはありませんでした。

現地から南側の経塚方面を見下ろすと、ゆいレールの拡張工事が真っ最中です。

 

現在を軸に反対側の73年後の未来を想像したときに、

この平和な景色がずっと続いていることを願わずにはいられない気持ちになりました。

 

 

最後に参考Webサイトとして、浦添市の映画を紹介したページと、

水ノ江氏による『沖縄戦史』の前田高地の戦闘のページのリンクを貼ります。

とくに後者は、個人が制作したとは思えないほどの

驚異的な沖縄戦のアーカイブとなっています。

 

(K)

マイ図書館

最近読んで面白かった本は、岡崎武志著『蔵書の苦しみ』(2013年、光文社新書)です。

書評家で蔵書家の著者が本にまつわる面白い話を書き綴っています。

この本では1章を割いて図書館について語っています。

 

 

確かに、蔵書の「外部化」として図書館はかなり使えると個人的に思います。

今回はいくつかのマイ蔵書ならぬ、マイ図書館を紹介したいと思います。

 

うるま市立図書館

 

 

1991年竣工で当時は具志川市立図書館でした。

設計は図書館建築の大家、鬼頭梓(あずさ)さんです。

自宅からは遠いので貸出の利用をしたことはなく「マイ図書館」とまでは呼べませんが、

たまに訪れるたびにいい図書館だなあと思います。

躯体から張り出した大きな庇で沖縄の直射日光を解決してます。

 

 

 

浦添市立図書館。ぼくが小さい頃から利用しているマイ図書館の一つ。

 

 

 

1984年竣工、内井昭蔵建築設計事務所+東設計工房共同体による設計です。

ヨーロッパの香りがする2層吹き抜けの「書斎」空間が印象的です。

竣工当初、まち全体がワクワクしていた雰囲気をよく覚えています。

 

 

沖縄県立図書館

 

 

コンペにより二基設計の案が選ばれ、1983年に竣工しています。

北側に大開口を開けた明るい2層吹き抜けの一般閲覧室は圧巻でした。

残念ながらこの4月から、現在工事中の新館への移転を控えて休館しています。

 

 

新館についてはいろんな情報が発信されていますが、

この元の県立図書館の今後の施設利用の方針はいまだにはっきりしていないようです。

県民が何も知らないうちに取り壊しに、

というありがちなシナリオはぜったい避けて欲しいと思います。

 

個人的には、那覇市が買い取って、すぐ隣の那覇市立図書館を移転させ、

ついでにTSUTAYAとスタバにも入ってもらうというのはどうでしょう。

こんな成功例もあることですし。

 

(K)

タイムループと日常

前回、毎日目覚めるたびに体が変わってしまう主人公を描いた韓国の映画

『ビューティー・インサイド』を紹介しましたが、

その設定から連想した映画がありました。

 

 

1993年に製作されたハロルド・ライミス監督、

ビル・マーレイ主演の『恋はデジャ・ブ』(原題は”Groundhog Day”)です。

こちらは朝目覚めるたびに同じ2月2日(グラウンドホッグデー/聖燭節)を

際限なく繰り返す男のお話。

いわゆるタイムループもので、そのジャンルの代表作でなないでしょうか。

繰り返すループの段階によって

ビル・マーレー演じる主人公フィルの思考や行動が変化していくのが見所です。

眠りからの目覚めが設定の肝になっているところが共通点でしょうか。

 

後半でジャズピアノや氷の彫刻(Ice Carving)の技を習得していくシーンがあるのですが、

その上達ぶりがループの際限なさを表していて切なくなります。

この映画もテーマが「愛」とは何か、というところに後半収まっていきます。

タイトルからは想像できませんが、隠れた名作ではないでしょうか。

 

ついでにもう1作品。

 

 

『恋はデジャ・ブ』を出したら引用したくなるのが、

2014年製作のダグ・リーマン監督による映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

(原題は”Edge of Tomorrow”)です。主演はトム・クルーズ。

特筆すべきは、原作が日本人の桜坂洋によるライトノベル

『All You Need Is Kill』だというところです。

(これには『Death Note/デスノート』の小畑健作画によるコミック版もあるのですが、

 そちらもオススメ。)

 

『恋は…』と同様タイムループものです。

ヒロインの名前が同じリタなのは偶然でしょうか。

長くなるので、あらすじは映画の公式サイトに譲ります。

 

タイトルの『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は、文法的にもあやしいし、

天国のジョン・レノンが聞いて卒倒しそうなフレーズですが、

実は日本語の原作を読める人だけに分かる含みがあります。

「キル」とは「斬る」であり、「斬る」=実戦です。

つまり、生き残りたければ実戦を積むしかないというメッセージが込められています。

この映画もループを繰り返すことによってトム演じるケイジが

変化していく(強くなっていく)さまが観ていて面白かったです。

 

体が変わったり、同じ日を繰り返したり、鑑賞する側からしたら単なる「設定」ですが、

スクリーンの向こうの登場人物らにとってはどうにもならない「状況」です。

主人公が試行錯誤しながらその「状況」を乗りこなしていく過程を観ていて、

元気と勇気がもらえる3作品でした。

 

(K)

ビューティー・インサイド

いま台湾出張中のアニーさんが、1ヶ月前に投稿したエントリをきっかけに、

2015年に韓国で公開されたパク・ジョンヨル監督の映画『ビューティー・インサイド

を観たのです。これは面白かった。

 

 

本作のテーマの核心についてはアニーさんがすでに触れているのでそちらに譲ります。

ぼくは一つ気になったことを書くにとどめて、

この映画から連想ゲームのように思い出した別の映画を紹介したいと思います。

 

まず、『ビューティー…』は何といっても、

「毎日目覚めるたびに主人公の体が変わってしまう」という設定につきます。

ある意味これは発明です。

体が入れ替わるという設定はよくあります。

最近では新海誠監督の『君の名は。』もその一つ。

これらは17世紀の哲学者デカルトがたどりついた心身二元論に基づいているといえます。

つまり、ハードとしての身体にソフトとしての精神がインストールされているという、

「人間」を説明する素朴なモデルです。

「心」のセットアップに不具合が起きて物語が動きだすわけです。

 

この映画のすごいところは、「心」は一定でそれが乗る「身」が変わっちゃうという、

これまで誰もやらなかったぶっ飛んだ設定を、科学的な説明を加えることなく、

説得力のあるストーリーテリングで成立させていることです。

(冒頭のたった4分足らずでその世界観と主人公ウジンの生態が描かれます。)

 

いちばん違和感(悪い意味ではなく)を感じたのは、

ウジンが外国人(韓国人以外)の体に替わったときにその国の言葉で話すことです。

ぼくは本作を2回、2度目は日本語吹替版で観たのですが、

それはヒロインのイスを演じるハン・ヒョジュさんの美しさに、

何度か字幕を読み落としてしまったからではなく、

外国語(日本語)で会話するシーン(日本の有名なあの女優さんが出演しています)

がどうなっているのか確かめたかったからです。

そこは真意を捨てて、うまくかわしていました。

(翻訳チームの腕の見せどころだったと思います。)

 

これはパク監督が言語を「心」の方ではなく「身」の機能だと

見なしていることに気がづいて、腑に落ちました。

心に起こる言葉を超えたモヤモヤとした意思を身体を通して表現するときに、

その身体が属する国籍の言葉で発声されるという仕組み。

これもまた素朴すぎるモデルですが、とても面白い考え方です。

 

本作はハリウッドでのリメイク版の話も出ているようですが、

その際これらの設定の精度がどれだけ上がってくるのか確かめてみたいと思いました。

 

この映画のラストシーン、とてもスタイリッシュなんですが、

二人の前途に待ち受ける苦労を想像するとちょっとやるせない気持ちになりました。

 

前置きが長くなってしまいました…。

紹介したいと言った作品は次回に取っておきたいと思います。

 

(K)

ドイツの風

ドイツの友達から素敵なお土産をいただきました。

 

 

この2冊、ドイツの建築雑誌だそうです。

海外の建築雑誌を何度か見たことありますが、この雑誌は初めてです。

海外旅行や国内旅行でも現地の建築雑誌を買ってしまうことが多いので、このプレゼントはかなり嬉しいです。。

 

最近は何かと本を読み進める時間が取れないのですが、読書時間を作ってドイツの建築情報に触れてみようと思います。

(Y)

ごはんよければすべてよし

文体というものも遺伝するのでしょうか?

 

宮脇檀(みやわき まゆみ)さんという個人住宅をメインに手掛けた建築家がいました。

コンクリートと木造架構の混構造でつくった住宅の連作

「ボックスシリーズ」が有名です。

残念ながら1998年に咽頭癌のため62歳の若さで亡くなっています。

(あれから20年も経つとは…。)

 

宮脇さんに関する書籍は、ディテール本から住宅論にいたるまで多く残されています。

中でも彼のウィットに富み、にこやかで、ときに辛口な文体で紡がれたエッセイは、

いつ読み返してもこころを持っていかれる魅力にあふれています。

 

今回紹介するのは、彼の娘さんでエッセイストの宮脇彩(さい)さんの本

『ごはんよければすべてよし』(2010年、講談社)です。

 

 

宮脇彩さんも父親ゆずりの、明るくて軽快なリズムをもった文章を書きます。

『ごはんよければすべてよし』はタイトルそのまま食にまつわるエッセイ。

ちなみにこのタイトルは、宮脇檀さんの口癖「カッコよければすべてよし」

から取っているそうです。檀さんらしいセリフです。

 

その父親が設計した2畳の小さいキッチンで、

主婦としてごはん作りを楽しむ日常を綴っています。

くいしんぼうの人が読んだら、美味しいものを作ったり、

どこかに食べに行ったりしたくなる本です。

 

(K)

悪役・コルビュジエ

この映画を予備知識無しで鑑賞して、海パン姿で他人(ひと)の住宅の壁に

頼まれてもいない絵を勝手に描いているそのおっさんが、

20世紀を代表する近代建築最大の巨匠だと分かる人はいるのでしょうか。

 

その映画とは、いま那覇の桜坂劇場で公開中の、

メアリー・マクガキアン脚本・監督による

ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』(2015年 英・ベルギー)です。

 

 

平和通りのアーケードから桜坂を上りきったところにある桜坂劇場は、

いつも何かしらユニークなミニシアター系映画作品の上映や

ライブイベントを開催していて、沖縄の文化の発信拠点として有名なスポットです。

 

 

このレビューを通して、建築専門でない方にもオススメの映画なのでぜひ見てください、

…と素直に言えないのが心苦しいところ。けっこう観客を選ぶ作品だと感じました。

 

ただ、見どころはいっぱいあります。

その一つは、この映画で重要な舞台となるアイリーン・グレイが設計した

コートダジュールの別荘「E.1027」が実際のロケに使われていることです。

彼女のデザインした家具と一体となったモダンな空間を

スクリーンを通して体感することができます。

 

コルビュジエは変わった人物として描かれています。

やっていることは崇高な(アートな)行為なのですが、基本的に気になる女の子に

ちょっかいを出す中学生と変わらない巨匠の姿が見られます。

 

この映画を観たことで、Casa BRUTUSや枻出版のムックなどを通して

記号として認知していた「アイリーン・グレイ」という名前が、

実体をともなって立ち現れるようになったのは、いちばんの収穫かもしれません。

 

(K)

子育てと建築

先日、本屋さんで前々から気になっていた書籍を見つけることができました。

その名も「子育てをしながら建築を仕事にする」。。

 

 

まだパラパラとめくり読みしただけですが、今の自分にも活かせる内容がいっぱいありそうでした。

また読み終わったら再度この場で紹介できればとおもいます!

(Y)

本棚に泊まる

去年12月、東京に行ったときユニークな場所に泊まりました。

BOOK AND BED TOKYO 浅草店」です。

 

 

泊まれる本屋をコンセプトにしたカプセルホテルです。

このエントリを書く際に調べて分かったのですが、

内装デザインは建築家の谷尻誠さんが率いるSUPPOSE DESIGN OFFICEでした。

 

本を読みながら寝落ちしてしまうそんな幸せな「寝る瞬間」をカタチにした

何度でも泊まりたくなる場所でした。

 

(K)

聴き逃していた名曲

現在NHKで放送されているアメリカのドラマ『THIS IS US 36歳、これから』のサントラを紹介します。

 

 

ドラマの中で進行する二つの時間軸(1980年代と2015年)同様、新旧の隠れた名曲が揃っています。

有名どころではスティービー・ワンダーやポール・サイモンなど。

若い世代ではスフィアン・スティーヴンスとゴールドスポットを知ることができたのは大きな収穫でした。

(K)

新年1冊目

あけましておめでとうございます。

今年も建築に関わる本の紹介を主にブログ当番をこなしていきたいと思います。

1冊目はこの年末年始に読み返した、中原洋 著『体験的高齢者住宅建築作法』です。

 

 

家づくりの顛末をつづった書籍は数ありますが、この本ほど具体的で生々しい内容のものはなかなかないかもしれません。

施主の中原さんはいわばプロの施主といっても過言ではないと感じました。

建築家・小川広次さんとの悪戦苦闘の家づくりを時系列に丁寧に綴っています。

読み物としてとても面白い内容でした。

(K)

音のいい部屋。

建築やインテリア好きにはおなじみの雑誌「Casa BRUTUS」。

学生の頃、そして実務をはじめた頃まではほぼ毎号購読していた記憶があります。

しかし仕事の経験を積んでいくにつれてそういうライフスタイル系雑誌に当てられていたお金は「絶対通る確認申請」とか「確実に伝わる実施図面の描き方」的な特集が多い「建築知識」などの専門誌に投じられるようになり、Casa BRUTUSも書店でパラパラ立ち読みする程度になってしまいました、…というのは設計事務所スタッフあるあるの一つではないでしょうか。

そんな反省を込めつつ今年購入2冊目になるCasa BRUTUSの特集号「音のいい部屋。A ROOM WITH SOUND」(マガジンハウスムック 2017年12月発行)を取り上げます(ちなみに1冊目は3月に発行された特集号「世界のベストミュージアム」)。

 

Casa BRUTUS特別編集 音のいい部屋

 

これはCasa BRUTUSで不定期に連載されている、ライターの野村訓市さんによる「a Room with Sound」を再編集した増補改訂版とのことです。前半のメイン部分は東京、NY、ロンドン、パリ…を拠点に活動する著名なミュージシャンやDJ、デザイナー、写真家など、音楽をこよなく愛する人たちの部屋にお邪魔してインタビューを行った内容をまとめた記事からなります。後半はいい音を聴かせてくれるジャズバーやカフェ、そしてユニークな世界のレコード店の紹介で構成され、これも内容が豊富で興味をそそられます。

 

お目当てはやはり巻頭で6ページも割かれている『村上春樹さんの「音のいい部屋」を訪ねました。』という記事。あまり取材を受けないという印象がある作家・村上春樹さんのインタビュー記事を、彼の書斎風景やサウンドシステム、所有するレコードなどのカットを見ながら読めるというのはなかなか貴重な機会ではないかと思います。

 

ページを繰っているうちに気づくのですが、実はこの特集号のテーマは「部屋」というより「レコード」です。モノラル盤がどうとか、買い替えてオリジナル盤に近づけるとか、○○製の真空管アンプが…などなどディープなことば頻繁に出てきます。

タイトルも「A ROOM WITH SOUND OF RECORDS」か「A ROOM SURROUNDED BY RECORDS(レコードに囲まれた空間)」のほうが正確かもしれません。よーく見ると表紙のタイトル「Casa BRUTUS…」の部分もレコード盤の真ん中のレーベルと呼ばれるラベル紙を模した形になっています(!)。

 

村上さんの話も最初に聴いたレコードのことから始まり、日常生活の中ににどれだけレコード(の音)に触れるシーンが溶け込んでいるかが語られています。まさにただのレコードマニアとしての村上春樹を浮き彫りにしたユニークな内容となっています。

面白かったのがCDとレコードの違いを語ったくだりです。

「最初CDで聴いていいなと思っても、最終的にはアナログに落ち着く。CDだと音が鳴っている感じですけど、レコードは音楽が鳴っていると感じる。」

 

村上さんだけでなく他のインタビュイーたちの記事を含め、音楽に囲まれた素敵な空間とそこに佇むひと、そしてアクセントとなる背景のアートや植栽など、目でも十分に楽しめるムックに仕上がっています。

 

最後にこの特集の仕掛け人でライターの野村訓市さんが、ラジオで村上さんについて語っていた内容をそのまま記しておきたいと思います。

 

「音楽というのはとてもユニバーサル。(中略)自分の文章の先生は聴き込んだ音楽だったと村上さんは話していたんですが、音楽が作品の先生だからこそ、世界中に読者を持つことができる人なのかなぁと帰りがけに思いました。世界を目指す人、それが文学でも彫刻でもアートでも何でもいいんですけども、音楽を村上さんくらい聴き込んでみるっていうのもひとつ、何かのきっかけになるのではと、そう思いました。」

 

(K)

ベッドサイドにて。。。

寒くなってきたので

家から出るのが少し億劫になりつつあります。

そんな日々は本を読んだり雑誌を見たりするのが楽しみの一つ。

難しい本はすぐに寝てしまう私。。。

興味のあるインテリアの本なら

目が冴えるので不思議です。

たまたま本屋へ立ち寄ったら

雑誌の新刊が出ていたので

またまた楽しみが増えました!

 

 

ところで、皆さんはどこで読書しますか?

私はベッドに入ってあったか〜くして

リラックスしながらの読書が大好きでして

ベッドサイドはライトとテーブルは必須です!

なので、インテリアの提案でも出ちゃいます ↓

 

 

もうすぐ完成の物件ですが

こうしてベッドの小物が並ぶと癒されます(勝手に。。。)

クッションやブランケットまであると

至れり尽くせりコースであります。

 

インテリアをイメージする時

その空間でどう過ごすかをイメージすると

選ぶポイントや方向性がスーッと見えてくる気がします。

この冬のインテリア、心地よく過ごす!を条件に

並べ替えたり選び直しても楽しそうです。。。

 

(S)

集落の教え

去る11月8日、建築家・原広司さんの講演会を聴きに行きました。

その時、原さんの著作にサインをいただいたのを機に十数年ぶりに読み返した名著『集落の教え100』を紹介します。

 

集落の教え100

 

この本は1970年代に原研究室が40ヵ国以上の国の集落の調査を通して得られた気づきを100の項目にまとめたものです。

100の項目はそれぞれの見出しとその説明、それに関連する集落の写真で構成されています。

原さんはもし建築家になっていなければ有名なコピーライターになっていたのではないかと思うくらい言葉のチョイスが巧です。

彼の自邸を説明したコンセプトで「住居に都市を埋蔵する」というフレーズは有名です(建築士の試験にも出るくらい)。

 

この本からいくつか抜粋したいと思います。

「あらゆる部分を計画せよ。([1]より)」

「集落は物語である。集落の虚構性が、現実の生活を支える。([21]より)」

「空気を設計せよ。([36]より)」

「さまざまな境界に意を払え。境界は、秩序の原因である。([64]より)」

「空中を歩け。([83]より)」

「壁は定義である。(中略) 壁は、争いの原因であり、争いから逃れる手段でもある。([87]より)」

「屋根は、すべての混乱を治める。([89]より)」

 

原さんの講演会同様、正直専門家以外の人には若干とっつきにくい内容かもしれません。

でも、すごい本です。

(K)

 

自信のない部屋へようこそ

ライター雨宮まみさんの『自信のない部屋へようこそ』を読みました。

 

 

amamiya

 

今はやりのミニマリストに言及しつつも、

自分の本当に気に入ったモノに囲まれて過ごす豊かな日常生活の大切さを綴っています。

共感するところの多い内容でした。

(K)