池間島の家

池間島 , 2017

沖縄県の本島より飛行機で約50分のところにある宮古島。

その宮古島中心地から車で約30分北に行き、宮古島と橋でつながる、面積約2.8㎢、周囲約10㎞の小さな島、池間島にこの家はある。

東京から十数年前に移住されたご夫婦と愛猫のための住宅である。

ご主人は宮古島で漁師となり、この島に惚れ込み、念願だった絶景のロケーションの敷地をこの池間島で手に入れることができた。

敷地は海と接しており、常に波の音が聞こえ、パノラマの海がのぞめ、また南には宮古島はもちろん、伊良部島、下地島も見ることができ、季節によっては水平線に沈むサンセットも見ることができるすばらしい立地にある。

この地で住宅を設計するにあたりまず考えたことは、やはり、この素晴らしいロケーションを活かすこと、そしてもうひとつは台風対策であった。

そこで、建物を、より海が広く見えるように敷地の中でも高い位置に建物を配置し、一番ロケーションが良い位置にLDKを配置した。

建物外観に関しては、大海原の水平線と同調するよう、水平ラインを強調した外観とした。

内部空間としてはLDKと寝室、そして旦那様が海の道具のメンテナンスや仕事をする作業部屋が主な空間であるが、外部からのアプローチや台風の影響を考え、LDK以外の室は海と反対側に配置した。

外部空間としては、駐車スペース、海の道具なども収納できる大きな外部倉庫、海の道具のメンテナンスができるスペース、物干スペースなど、施工床面積の約3分の1を占める充実した外部となっているが、その外部を構成する壁を建物周囲にうまく配置することにより、台風対策と兼ねられるように計画した。

台風時には、LDKに設けたアルミ製の雨戸、駐車スペース入口に準備したハリケーンファブリック(外国製の台風対策用スクリーン)を設置すれば、建物全体が守られるような計画となっており、総工事費用における台風対策のためのコストのバランスも考慮されている。

この地で長年過ごされ、風速80m級の台風も経験されているお施主様の知恵もお借りしながら、素晴らしい立地ではあると同時に非常に厳しい環境でもあるこの場所に、最善、最良の住宅ができたと思っている。

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