知花の二世帯住宅

沖縄市,2017年

老朽化に伴い実家を二世帯住宅に建て替える計画である。

敷地は沖縄県の中部、沖縄市知花の路地を少し入ったところで、まだ古い住宅も点在する住宅地の中に位置する。

計画としては1階にご両親二人住まい、2階に息子様ご家族4人の住まいが外階段で繋がる完全分離型の二世帯住宅である。

プランニングとしては、1階は仏壇があり行事ごとに多くの親戚が集まるため、二間続きの和室を設け、音楽の指導をされていたお母様のためのピアノ室、オーダーキッチンと充実した収納を備えたダイニングキッチン、そして寝室と水まわりという室構成とし、二間続きの和室とダイニングキッチンは障子で仕切り、それを解放する事で、全てが繋がる大きな空間となるように計画した。水まわりについては寝室の近くに配置し、将来介護や車椅子などが必要になっても対応できるよう開口幅に余裕をもたせ、将来用トイレ配管を設けるなどの準備をした。

2階の室構成としては、大きなLDKとそれに繋がる和室、子供室、寝室、ファミリークローゼット、洗面兼脱衣室、脱衣室、浴室などとし、家族の気配が常に感じられるようにLDKを中心に周りにそれぞれの部屋が配置されるようなプランニングとした。

また広いテラスを設け、周囲の視線は隠しつつ圧迫感のないルーバーの手すりにすることにより、リビングと一体化した解放的なテラスとした。

そして、この建物の一番の重要な場所であるのが、1階と2階をつなぐ階段のあるスペースである。

完全分離型とはいえ、やはり家族の繋がりを感じられる建物となるよう、この階段のある空間を共有空間と捉え、より印象的な空間にすることにより1階2階それぞれの住人が心地よく感じたり、感動したりと、目に見えない気持ちや感情を共有できる空間になればと思った。そこで風や光が一年を通し、季節や時間によって様々な光景を見せてくれるよう、一部透かしレンガ積みによる壁を設け、また大きなブラッサイアの木を植えた吹き抜け空間を設けることにより、上下階の繋がりを視覚的にも感覚的にも、感じられる空間をつくった。

住みなれたこの地で、新しい生活が始まった。

しかし建物正面に残した桜の木のように、今までと変わらない家族の気持ちが引き継がれる。

そんな住宅になればと願っている。

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