海をのぞむ家 うるま市 - 2015
2015年冬、建物は一応完成の日を迎えました。
その後、春夏秋冬を5回経験し、暑い日も寒い日も、また気持ち良い風が吹き抜ける日も、台風の強風にさらされる日も、穏やかな海の眺めや白波も、月が綺麗に見える日も何度もこの家で経験してきました。
芝が生え揃い、1年かけてやっと探したサルスベリの木がしっかり根を張り坪庭に植えた背丈ほどのブーゲンビリアは3.5mの壁から頭が出るほどに成長しました。
この度5年の歳月が経った「海をのぞむ家」の今を撮影する事にしました。私はいつも、建物が出来た時=完成ではないと思って設計という仕事をしています。できた家とともに様々な時を経験し、日々の変化を楽しみ、家と共に成長していく。人生と同じように、歳月を増すことに味わいを深めていき最終的に寿命を迎えたその時に本当の意味での完成をする。家とはそのようなものだと捉えています。そのためには、もちろん適切なメンテナンスが必要不可欠です。その時間さえ完成に向けての一コマだと考えればストレスも軽減され味わいが増していく経年変化を見る事も楽しみになります。
心を込めてその家と付き合い、楽しみ、育み、成長していく。「良い家」とはそのような心が作っていくものだと信じています。今後も10年、20年、、、と、この家に寄り添い良い付き合いをしていこうと思います。