首里 桜の家 那覇市 - 2012
敷地周辺は、戦後、荒廃した土地に建ち並んだ住宅が老朽化を迎え、マンションや新しい住宅に建ち替わっている。まだ古い建物も残り様々な種類の建物が混在している、那覇市首里の一角に位置する。施主の要望は、一つの敷地内にある長年住んできた古い家二棟を一つの家に建て替えること。思い入れのあるこの土地に、家族でまた新たな歴史を刻んでいける、落ち着き安心して穏やかな生活が出来る環境を希望された。ヒンプン*に見立てた杉板型枠仕上げの壁に沿ってアプローチし、玄関に入ると仏間のある和室空間に至る。リビング、ダイニング、キッチンの空間は建物及び敷地に対して、ほぼ中央に配置し、そこから各室へ回遊出来るように計画した。
「ヒンプン:琉球建築の民家における典型的な様式のひとつで、門と母屋との間に設けられる”目隠し”のことをいい、中国語の屏風”ピンプン”に由来するといわれ、魔除けという役割もある。」