ライカムのコートハウス 北中城村 - 2022
敷地は沖縄県の中部、沖縄市に位置する。古くからの住宅地ではあるが、数年前より開発が加速し、小・中規模のフランチャイズやチェーン店などが増え始め、より生活が便利な土地となり新しい住宅や集合住宅が増えている。
そのエリアに30代のご夫婦が土地を入手され、ご夫婦とお子様2人の4人家族のための住宅を計画することになった。ご要望としては広く天井が高いリビング、BBQができるテラスと、釣りが趣味であるご主人の為の外部の流し台、ダイニング一体型のキッチン、打ち放しを組み合わせたモダンな内外装などが主な要望であった。敷地条件としては間口約10m奥行き約25mという長方形の敷地となっており、幅員は広くないが車通りの多い前面道路、また隣地は広い貸し駐車場となっていた。
計画にあたってはまず、前面道路からの視線や騒音、周囲の集合住宅や隣地にいずれ建築物が建つであろうことも考慮し、コートテラスのある住宅を提案した。外部からの視線を遮りながら風と光は十分取り込めるように考えたコートテラスは、木製の引込戸によりリビングと一体化された空間となり、より開放的で広がりを感じるリビングを演出している。床に段差を設けることによりフラットに仕上げたダイニングテーブル一体型のキッチンはコンクリートで製作しモールテックスという左官材料で仕上げ、コンクリート打ち放しの空間にインテリアの一部としても機能している。
都市化が進む沖縄において、このような都市型コートハウスが増えているように感じるが、完全に閉じるのではなく、ある程度の風は取り込みながら、日射を遮る為の庇もしっかりと設けた、沖縄型コートハウスとでも言えるスタイルができたと考えている。